このインタビューの内容がすべてのCOPD患者さんに
あてはまるものではありません。
また、患者さんによって適切な治療が異なるため、
必ず医師に相談するようにしましょう。
よく話すようになったのは、当院でがん患者さんを対象にしたがんサロンを開く時に、サロンの運営方法について相談させていただいたのがきっかけでした。
おそらく、肺がんとCOPDという重大な病気を一度に診断された時には、ご自身の生き方やこれからのことなど、すごく考えられることがあったと思いますが、そんな中で肺がんの経験者としてがん患者さんの力になりたいという新しい目標を見つけられました。そして、実際に三重県のがん相談支援センターのメンバーになられ、ピアサポーターの講習も受け、がん患者さんの集まりで進行役のような役割も取りながら、活動の幅を年々広げているところは本当に凄いなと思います。
病気になり身体的にも精神的にも色々つらいことは多かったと思うのですが、病気になった今の自分の中の生きる意味や目標をしっかり持ち、それに向かってまい進している姿には、患者さんと看護師という立場ですが、私の方が学ぶところが多いなと感じています。
息苦しさのために動かなくなると、体力が落ちていき、がんの治療も続けていくことが難しくなるという悪循環に陥ってしまうこともまれではありません。COPDの治療を並行して行うことで、日常生活での活動量をできるだけ増やし、体力をしっかりと維持できたことが、がんの治療を続けて行く上でも意味があったのではないでしょうか。
こちらの患者さんの場合は、肺がんとCOPDの診断が同時だったため、早期からCOPDの治療を行うことができましたが、がん患者さんは、呼吸の苦しさや息切れなど、何か症状があっても、全てががんの症状だと思い込んでしまうところがあり、医療介入が遅れがちになります。そして、こちらからご自宅での様子を聞くと「体がつらいから寝ていることが多い」とお話しされ、それはがんの症状だけじゃない可能性があるとお伝えすると、どういう症状で困っているかなども教えていただくことができ、COPDの診断へとつながっていきます。
そのため、この体験を1人でも多くの患者さんに知っていただき、様々な病気が併存する可能性、そして、それを一緒に管理していくことの重要性を知ってほしいと思います。