今回は、1.患者さんの家族としてのお立場からみたCOPD、
2.呼吸器専門医として皆さんに知って欲しいCOPD、
3.患者会という立場から皆さんに伝えたいCOPD
という3つの視点で3名の方にお話しいただきました。
このインタビューの内容がすべてのCOPD患者さんに
あてはまるものではありません。
また、患者さんによって適切な治療が異なるため、
必ず医師に相談するようにしましょう。
「コロナ渦でもできるCOPD患者さんのための新しいイベントのカタチを模索し、病気と前向きに歩ける世界を作っていきたいです」
患者会の大きな役割の一つは、COPDという病気について知ってもらうための啓発活動をしっかりやっていくことだと考えています。その代表的な取り組みが、ラング・ウォークイベントでした。ラング・ウォークイベントは今年で13年目を迎えます。啓発活動は継続することが大切なので、今年はコロナ渦の中ですが、まず、「今年も継続して開催する!」ということをスタートラインにして、アイデアを出しあいました。
これまでのラング・ウォークイベントでは、啓発を目的とした肺機能検査とみんなで一緒に歩くウォーキングをイベントの目玉企画としていました。しかし、肺機能検査は、機械に向かって強く息を吹きかけるので、新型コロナウイルス予防という視点では、まずできないこととなります。一方で、ウォーキングについては、屋外の活動ですし、密を避ければ実施できるだろうと考えました。
今年のウォーキングイベントでは、参加前の検温や手の消毒はもちろん、会話をせずに受付ができるようにしました。また、密を避ける為に、一斉でのスタートを止め、30分おきに 4 組にスタート時刻をずらして実施しました。
まずはCOPD患者さんに、患者会の存在を知って頂き、一人で悩まずに、みんなで情報を交換しながら、少しでも患者さん達の日常生活が過ごしやすくなっていって欲しいと思います。
そして、日本中の多くの人に、COPDについて正しい理解を持っていただけるようにすることも私達の大きな使命です。町の中を患者さんが酸素ボンベを引いて歩くと、まだまだ好奇な目で見られることがあります。テーブルに肘をついてご飯を食べると楽に食べられますが、病気を知らない他の人からはマナーが悪いと思われてしまうことがあります。そういう患者さんの生活の周りにある、病気を知らないことで起きている偏見の垣根を、患者会の啓発活動を通じて、一つ一つ取っていきたいです。
そんな想いもあって、今年のラング・ウォークイベントでは、肺機能検査の代わりにCOPDクイズを導入しました。QRコードをつけたチラシやポスターを文京区の公共施設を中心に配布し、スマートフォンでクイズのページへアクセスして参加してもらえるようにしています。
これなら非対面で感染のリスクなく参加いただけますし、クイズを通じて、COPDの正しい理解を持ってもらうことができます。そして、抽選でオリジナルTシャツをプレゼントする企画をつけて、参加意欲が少しでも高まるようにしました。