このインタビューの内容がすべてのCOPD患者さんに
あてはまるものではありません。
また、患者さんによって適切な治療が異なるため、
必ず医師に相談するようにしましょう。
COPDは、こちらの患者さんのように最初は坂道や階段を上るときに息切れを感じるところから始まりますが、そのうち平地を歩いていても息苦しくなります。そうなってから病院を受診される患者さんも多いのですが、COPDは早く治療介入した方が、より長く肺の機能を維持できるため、何とか少しでも早く受診するきっかけがあればというのが私たち呼吸器専門医の願いです。
また、こちらの患者さんはCOPDと糖尿病を併存していましたが、これは決して珍しいことではありません。COPDの患者さんは肺に炎症を起こしているのですが、その肺の炎症が全身にも波及して、全身に様々な影響を及ぼすことがあるからです。糖尿病や高血圧、心臓疾患などを抱えている場合、COPDがこれらの病気に悪影響を与えている可能性もあります。
COPDの治療目標には、健康寿命を延ばすこともあります。健康寿命における健康とは、こちらの患者さんがおっしゃっていたように、ご自身のことが一人できちんとできて、さらにはゴルフのような趣味も楽しむことができることだと思います。たとえ100歳まで生きたとしても、呼吸が苦しくほとんど寝たきりでいるのと、自分らしく生活しているのでは大きく違います。今、息切れを感じておられる方がいましたら、少しでも早くかかりつけ医に相談していただき、どのようなときに息切れを感じるかなど、そんなところからお話を始められたらと思います。