注:この医師および理学療法士のお話がすべてのCOPD患者さんにあてはまるものではありません。
また、患者さんによって適切な治療が異なるため、
必ず医師に相談するようにしましょう。
津田先生:若い頃からタバコを吸っていた方の場合、40代、50代でもCOPDを発症している可能性はあります。20代からタバコを吸っていた方には、是非、5年に1度でいいので、呼吸機能検査を受けてほしいと思います。残念ながら、今の健康診断の項目の中ではCOPDを早期に発見することはできないため、タバコを吸っていた方が自分自身で検査を受けるしか早期に気づく機会はないのです。息苦しさを感じていても、今は息苦しさを感じていないとしても、「タバコを吸っていたら呼吸機能検査を受けてほしい」、これが私の一番の想いです。COPDは高齢になって発症する病気ではなく、40代、50代の働き盛りの肺にも発症します。早く気づいてもらうことで、「働き続ける」という、とても大切な時間を守れるのです。遅くとも50代でCOPDを発見できるように検査を受けましょう。
津田先生:COPDの症状が改善してきて一番嬉しいのは、患者さんから未来の希望が聞けるようになることです。例えば、「ゴルフにまた行けるようになりたい」、「友人に誘われた食事にも行きたい」、そして、「仕事に完全に復帰して、今までのように働きたい」というお仕事についてのお話をされる時は、患者さんはとても良い表情をされます。やはり仕事を続けられるって大切なことですよね。 私は、日本ではまだたくさんの若い、つまり働き盛りの方がCOPDに気づかずに、息苦しさから働くことを諦めてしまっているケースが多いのではないかと思っています。早く治療すれば、仕事を続けられる。この国の労働力を守るために、呼吸器専門医としてCOPDの早期受診を勧めることが、これからの未来に向けて、私の重要な役割だと感じています。その想いは、ここでご紹介した50代でCOPDと診断され、「仕事に復帰しよう」と懸命に治療に取り組む患者さんの姿を見ることでより強くなりました。